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ESP32でHomeKit対応のスイッチを作成する Part.3

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はじめに

前回は ESP32 で作った HomeKit 対応のスイッチをオルタネイトスイッチ対応にさせるためにプログラムを書き換えました。

順調に進んでいますが、最終目標は ESP32 を壁に埋め込んで壁のスイッチを HomeKit 対応にすることです。

今回はそのために必要な壁の中での電源供給の方法を決めて、動作確認して行きたいと思います。

電源供給方法の検討

壁の中で ESP32 を駆動させるためにはもちろん電源が必要なわけですが、思いつく電源供給方法は下の 2 つだけです。

  • スイッチ部分に来ている 100V の電線から電気を取る
  • 駆動用の電池やバッテリーを一緒に埋め込む

うちの場合、壁のスイッチ部分にはブレーカーから来る 100V の線と電灯へ繋がる線の 2 本しかありませんでした。
中性線があればそこから簡単に電気を取ることができそうですが、これでは難しそうなのでとりあえず電池を一緒に埋め込む方法で行きたいと思います。

電池駆動のための方法検討

ESP32 の動作電圧は3.0V〜3.6Vです。

マイコンを電池で動かすというのは初めてなので下のような選択肢を考えました。

  1. 1 本 1.5V の乾電池を 2 本直列接続
  2. 1 本 1.2V の充電池を 3 本直列接続
  3. DC/DC コンバータで電圧変換

1 つ目の乾電池 2 本の案は、乾電池が消耗していき最終的に 0.9V ほどになると 2 本では 1.8V にしかならず、電池を最後まで使い切れないと考えて却下しました。
次に充電池 3 本の案ですが、実際に充電池 3 本を直列接続して電圧を測定してみると 3.9V ほどで 3.6V を超えていたので却下しました。
エネループなどの充電池の電圧は 1.2V だと思っていたのですが、どうやら満充電時には 1.2V を超えるようです。

最終的に残ったのは 3 つ目の DC/DC コンバータを利用する方法です。
早速どれがいいか調べて買おうと思いましたが、以前買ったものが使えそうなので下のレギュレータを使うことにしました。

DC/DC コンバータの利用方法

今回使うレギュレータは 16V 以下の電圧を加えるとそれを 3.3V にして出力してくれます。

ただし出力電圧が 3.3V でドロップアウト電圧が 0.3V なので、入力電圧は 3.6V 以上を維持する必要があります。
充電池は最終的に 1.0V まで電圧が下がるそうなので、3 本では 3.6V 以上を維持できません。
そこで今回は充電池 4 本を直列接続して使うことにしました。

また、付属する説明書に記載されているとおり、入力側には0.33μF、出力側には47μFのコンデンサを接続します。

manual_gI00534

ブレッドボード上でのテスト

充電池 4 本の電圧をレギュレータで落として ESP32 に供給しています。
また、上で説明したようにコンデンサを 2 つ配置しました。

いつもどおりこの状態でホームアプリ上でアクセサリの追加などを行い、正しくスイッチとして機能していることが確認できました。

esp32_breadboard_battery

おわりに

今回は壁の中に ESP32 を埋め込むために電池で動作させました。

電池での動作確認ができたので、次回はついに ESP32 と電池を壁に埋め込んで行きたいと思います。